山口久吉の話
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     湯西川温泉 湯西川の剣術 慈眼新陰義経流



                                 山 口 久 吉

    ◎ 慈眼新陰義経流

     慈眼新陰義経流、栗山村にも剣術の道場があった。 湯西川の山口家がそれで
    建築年代の判らないほど古い家であったが、残念ながら生活に不便のため取り壊
    してしまったが、柱には刀傷や剣術の為の木刀や棒術の類があった。 

     又、代々伝わってきた巻物が古びた錦の布に包まれて、大事に家宝として伝承
    されている。 魔利支天菩薩を祀りこれを信仰し剣の道に精進したと言われ、こ
    の部屋には女は入れなかったが、母が嫁に来たとき生活に不便の為之を廃止した
    と云う、今に残るのは剣術の巻物だけだが、

     免許五拍子之事、九字五行、拍子目録の太刀、印可、兵法九字、
     奥義の太刀之事、不動金縛り、足止之法、神文覚之事、等など

     色々の巻物文書があるが、巻物を見る事は堅く禁じられている。

     剣術の盛んな天明二年から寛政、文化、文政、天保、弘化、の時代にかけての
    門弟帳があり、その名が記され墨印が押されている。

     門弟帳の一部を紹介しよう、

                     覚、

             一、 人よりさきへ手出し申間敷、

             一、他流をそしり申間舗候、

             一、師しょうに頭たち申間敷事、

             一、人にふり見せ申まじき事、

                         右の通り墨付如斯候、

         天明八申九月吉日、
                       弥惣冶、
                       伊平冶、
                       佐源冶、
                       佐重冶、
                       伊惣冶、
                       伊 八、
                       幸十郎、
                     伊五右衛門、
                       善重郎、
                       金 蔵、
                       清 蔵、
                       金重郎、
                      友右衛門、
                       長 蔵、
                       幸 七、
                       冶 良、
                上くり山、 忠左ェ門、
                小百村、   藤 蔵、

           湯西川高手村、 山口久右衛門様、

         寛政十二歳かのへ申正月吉日、
           利平冶、以下十五名の名前が列記されているが、省略する、

                     又、

         文化十二年乙亥正月吉日、
                       儀兵衛、
            御領附、白川郷大平村、星吉蔵、
                     弟、岩 蔵、

     以上、三十六名の名前が門弟帳に記されている。

     七十軒しか無かったこの村に、主だった人達が殆ど剣術を稽古していた事にな
    り、名主の伊平冶、や伊五右衛門までが門弟に含まれており、これは村が一朝事
    ある時は村を守る備えであったかも知れない。

     道場主の山口久右衛門は何代も名前を襲名して道場を開いている。





    昭和五十五年に刊行の植田俊夫先生の栃木県剣道史、には記載されていない。















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